やいとstation

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佐古田三郎先生講演会(第1回)

この度、やいとStationでは『佐古田三郎先生の講演会』を企画しました。

しかも2回やります!まずは第1回目の募集です。

 

日時:第1回目 5月13日(日) 9時~12時

場所:大阪大学中之島センター

 (アクセス:http://www.onc.osaka-u.ac.jp/others/map/index.php

募集:30名

参加資格:ご興味があればどなたでも可

参加費用:10,000円

特典:参加者には『佐古田式養生で120歳まで生きる する・しない健康法』(実業之日本社)を進呈します。

申込:佐古田三郎講演会申込みフォーム

 

第2回目の予定:7月1日(日)

 

プロフィール

◎佐古田三郎 Saburo Sakoda

国立病院機構刀根山病院院長。大阪大学名誉教授。1975年、大阪大学医学部医学科卒業。大阪大学講師・助教授を経て、2000年、大阪大学医学部神経内科教授に就任。2010年より刀根山病院院長に就任。パーキンソン病を専門としつつ、所属する診療科(神経内科)の枠にとらわれない身体全体にアプローチした病態の解明、生体リズムを改善する「高照度光療法」、「絶食療法」(断食)などを取り入れた薬に頼らない治療法、日常の食事や睡眠などを重視した養生法のあり方などについて幅広く研究、啓蒙を続けている。著者に、『医者が教える長生きのコツ〜病院・薬に頼らない、自分でできる「現代養生訓」』(PHP研究所)、『佐古田式養生で120歳まで生きる する・しない健康法』(実業之日本社)がある。

 

おとなしく座って講義を聴くだけ勉強会が嫌いなやいとStationですが、今回はめずらしくがっつりと講義だけ。テーマは『養生法』です。

 

まず、今回の講演会の企画に至った経緯をお話しましょう。

 と、ある日。ご紹介で、佐古田先生があい鍼灸院へいらっしゃいました。

「吸玉のことを聞きたいんですが?」というお尋ねでした。

刺絡や透熱灸は、ときにあらー!というお客様を連れてきます。びっくりです!

この時の佐古田先生のおたずねをもっと詳しくいうと「パーキンソン病の患者さんがときにお腹が痛いとおっしゃるんだけど、お腹に吸玉したらどうだろうか?」でした。

「おもしろーい!」と思いました。パーキンソンに吸玉というところではありません。私が興味を持ったのは佐古田三郎、その人です。国立病院の院長先生が街のしがない鍼灸師に教えて欲しいと来てくださった、この人を面白いと思いました。実はお会いするまで佐古田先生のこともパーキンソン病のことも調べませんでした。いつも通り、患者さんとお会いするのと同じように前情報を持たないでお会いしようと思ったからです。パーキンソン病は治らない難病という知識しかありません。付け焼刃で本やネット程度の知識をつけても恥ずかしいだけです。だったら相手がどう考えているかを「知らないので教えてください」と素直にお聞きすべきと思うからです。いつもどおり鍼灸治療をしながらお話をして、この先生は「養生」について色々と考えていらっしゃる先生だということがわかりました。そして「あなたの患者さんにもパーキンソンを持っている人は必ずいますよ」とおっしゃって帰られました。

 

 その後、何度かのメールのやり取りの後、刀根山病院の病棟を見学させていただけることになりました。私にとってパーキンソン病と確定診断をされた患者さんとお会いするのは初めてのことです。 「患者さんに何を聞いてもいいよ」と先生はおっしゃって病室を出て行ってしまいました。

 

患者さんと二人きりになりました。うちの鍼灸院に来られる患者さんとは違って目の前の人は『明らかに病気であること』がわかります。病態も明らかに普通の人ではありません。初めて見るパーキンソン病の患者さんに何を聞いていいのかわからず真っ白になりました。とりあえず、「今、どんな状態なのですか?」とあたりさわりのないことをお聞きした後、ふと「一番はじめに何かおかしいなって感じたのはどういうことでしたか?」と口をついて出ました。

 

「膝がね、なんかおかしいって思ったの。痛いわけじゃないんだけど」

 

 この日、5人の患者さんの病室を回ったのですが、足に力が入りにくい、便秘、眼瞼下垂、肩が痛い、不眠というような症状がきっかけだったということでした。お話を聞いたこれらの症状は、うちの鍼灸院にもよくある訴えと同じだなという印象でした。「あなたの患者さんにもパーキンソン病はいますよ」と佐古田先生がおっしゃった意味がわかりました。病態の軽いうちに、もしかしたら私の手の中を通った患者さんが、何年か後にこうやって病室で寝ているかもしれない。―そう思うと、ちょっと血の気が引くような思いがしました。

 

 理学療法鍼灸院、接骨院などを窓口に、原因がわからず、改善がみられないまま色々な病院を回り、確定診断が出るまで時間がかかり、パーキンソン病とわかってからも病院を転々として、何年もかかってこの病室へたどりつく。鍼灸院に来なくなった患者さんのその後に、こういう現実もあるんだということを知りました。どの患者さんのベッドサイドにも、先生の本がよく読みこまれた状態で置いてありました。

 

 病棟見学の後、佐古田先生に色々お話を聞かせていただき、帰ってから先生の本も読ませていただいて、ふと思い出しました。「脳神経の患者さんはね、一生懸命やっちゃいけないよ。鍼の刺激でかえって悪くなっちゃうことがあるから」学生時代、関西鍼灸短大学長だった八瀬善郎先生に言われた言葉です。八瀬先生もALSという難病が専門の先生です。「鍼灸で何とかしてやろうと思わないこと。もっと大きい視点で患者のことを良く知ること」八瀬先生の言葉が佐古田先生のお考えと重なりました。

 

 さて、どうでしょうか。みなさんの鍼灸院にも歩きにくい、便秘、首肩コリ、腰痛、しびれといった患者さんは多く来られると思います。もちろん先生方それぞれの方法で治療もされていると思います。そしてその後、どういう指示を出していますか?今回の講習会はココに焦点を当てます。

 

 筋肉をつけてください。運動してください。意味なく言っていませんか?最近では患者さんの方が「運動したほうがいいよねぇ」「筋肉つけたほうがいいよねぇ」とおっしゃることも多くなりました。答えられますか?筋肉をつけたらその症状治りますか?運動って何をどれくらいするんですか?腰痛体操、肩こり体操、それ、本当に効果がありましたか?そして説明したような結果に結びついたでしょうか?薬剤投与が必要な病気も同じです。パーキンソン病は脳内のドーパミンという神経伝達物質が欠損することが原因といわれます。ではドーパミン剤を足せばこの病気は治るのですか?

 

『治療にはエビデンス(科学的根拠)があります。信頼できるエビデンスがあっても、病気になるまでの生活(環境因子)が悪ければ薬は効かないのではないか(薬剤抵抗性)。逆に言えば、生活を整えることで薬は効くようになるということです。』

(佐古田式養生で120歳まで生きる する・しない健康法より)

 

 去年、やいとStationでは、神経疾患などの患者さんに対応できる治療技術の一つとしてYNSAの講習会をやりました。現在、YNSAは全国規模で講習会が行われていて頼もしい限りです。今回は病気を発症する前に「未病を治す」方法として「養生」を取り上げます。

 

 人間には、個々それぞれが持っている遺伝因子がありますが、病気のほとんどは後天的な「生活習慣」から生まれます。環境因子を整えるための「養生法」を今回の講習会では学びます。せっかく病態の早期に鍼灸院に来られているかもしれない患者さんに、養生法をお伝えできるようになりましょう。そしてできることならば自分も実践しましょう。これが今回のテーマです。

 

 しかしながら、佐古田先生の名前で50人、100人を集めて講演会やるの?やいとStationとしてやりたいことってなに?と考えた時に、先生に質問しながらお話を聞きたい。アホみたいな質問もできる空気感を作りたい(いつものことですが)ということから、多くても30人くらいまでかなぁということで、教室1つ分くらいの人数に絞ります。参加資格はどなたでもかまいません。お話が聞きたい方がいらっしゃったら患者さまもお誘いしてください。

 

 2回目は1回目が終わってから参加された皆さんの意見を聞いて考えますが、もう少し具体的な方法や養生法、治療法などに寄ったお話にしたいなと思っています。皆さんには『佐古田イズム』を十分理解していただくために先生の著書を進呈いたしますので2回目までに読んでいただけると幸いです。2回目の参加は強制ではありませんのでご安心ください。

 

日時:第1回目 5月13日(日) 9時~12時

場所:大阪大学中之島センター

 (アクセス:http://www.onc.osaka-u.ac.jp/others/map/index.php

募集:30名

参加費用:10,000円

特典:参加者には『佐古田式養生で120歳まで生きる する・しない健康法』(実業之日本社)を進呈します。

 

≪第2回目の開催≫

日時:7月1日(日) 9時~12時

場所:大阪大学中之島センター 405講義室

 申込:佐古田三郎講演会申込みフォーム